オリーブオイルは加熱にも最適、ただ条件つきです。

スペイン在住オリーブオイルナビゲーター・小野塚千穂さんより。
オリーブオイルを加熱しても良いのかどうか、まだまだ不安に思っている人が日本には数多くおられます。きっとオリーブオイルについての様々な記事が溢れすぎていて、どれを信頼したら良いのか分からない事がその原因です。エキストラバージンオイルを揚げ物に利用するのは、とても贅沢なことですが実際に色々な事を調べてみると、それほどコスト的にも高すぎないことがわかります。

エキストラバージンオリーブオイルの優れたものには、抗酸化物質が豊富に含まれています。特に苦みや辛味の強いタイプのオリーブ品種には、抗酸化物質が多く、これは酸化に強いことを意味しています。空気との接触で生まれる酸化にも、加熱で起こる劣化にも強いということになります。

様々な研究からエキストラバージンオイルは、加熱時もっとも耐久性のあるオイルであることが立証されていますが、一つ条件があります。それは加熱温度を180℃以上にしない事です。よく発煙点という温度の話がありますが、これはオイルを加熱し何度でオイルから煙が発生し、オイルの構造が壊れ始めるかを表す数値です。ネットで調べるとこのオリ―ブオイル発煙点も膨大な数の記事があり、参考書も明記されていない様々なデーターが出ています。

これでは正確な情報を皆様にお伝えできないので、10年以上輸入に関わっているスペインのトップブランドCasas de Hualdoカサスデウアルドに相談してみました。どの資料が信頼できるものかを探るよりも、自社のオイルを検査した方が間違いないという結論に達し、早速検査を依頼しました。興味深い結果が出たのでシェアさせていただきます。

まず、抗酸化物質含有量が高いオリーブオイルの方が発煙点も高いという認識は間違いでした。エクストラバージンオリーブオイルの発煙点は、どんなオリーブ品種でもカサスデウアルドの場合は187~189℃、ほぼ190℃でした。単一品種のアルベキーナ、ピクアル、そしてクパージュタイプ(幾つかのオリーブ品種をブレンドしたもの)も2種、合計4つのオイルを検査した結果の結論で、エキストラバージンオイルであれば、190℃で煙が発生しオイルが劣化に向かいますので、必ず180℃以上に加熱しないで調理してください。

この温度管理をしっかりとすれば、オイルは繰り返し使用できます。注意してほしいことは、途中で新しいオイルを足さないことです。古いオイルに新しいオイルを足してしまうと、特徴はすべて古いオイルになってしまいます。これは気を付けてください。

抗酸化物質のおかげでオリーブオイルは加熱で酸化しても、元の安定した状態に戻ろうとする特質もあり、どんな植物性オイルよりも劣化が遅いオイルといえます。とても高額なオイルと思われるかもしれませんが、抗酸化物質の含有量の高いオイルを選ぶと耐久性にも優れているので、結局は長持ちし節約につながります。

食材のおいしさを引き出してくれるだけでなく、加熱しても酸化しにくいオリーブオイルは、揚げ物ならば食材をオイルでコーティング、内部に浸透せずカラッと揚がるという特徴も持っています。天ぷらの専門店でも、最近はオリーブオイルを活用するところがあるくらいです。

但し、今回の内容に該当するのは本物のエキストラバージンオイルのだけ。量販店で販売されているような安いオイルは偽物が多く、精製された単なるオリーブオイルには何が含まれているかわからないような状況が多いので、オイルはとにかく信頼できる人またはお店から選ぶことをお薦めします。

私は加熱用には、カサスデウアルドの3リットル缶入りを使用しています。

3リットルは大きすぎるという方には、こちらのキンタドビスパード2リットルをお薦めします。

 

これから益々セルフケア重視の時代になると思います。必須食品である脂質=オイルや塩、水の管理は妥協せずにしっかりとすることがとても大切だと思います。今後も新しい発見や情報は継続してアップしていきますので、どうぞよろしく。

優れたエキストラバージンオリーブオイルが、いつも身近にある暮らしを提案して参ります。
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